腰部脊柱管狭窄症に特徴的な症状は間欠性跛行です。
間欠性跛行とは次のような歩行障害を指します。
横になって寝ている時や椅子に座っている時には下肢に何ら症状を認めませんが、歩行中にしびれや痛みが下肢に広がり、腰を前に曲げたり、しゃがんだり、坐ったりして休まなければならなくなります。
これらの姿勢・動作によって下肢のしびれや痛みは速やかに消失するため、再び歩行が可能になります。
しかし、歩いていると再び同じ現象が現れます。
路上で、お年寄りの方が腰を前に曲げて歩いている姿を目にすることがありますが、この歩行姿勢は間欠性跛行に対処するために自然に身につけたものです。
本症の患者さんにとって最も不都合なことは、歩いて遠出ができないことです。
近くまでの買い物や、ひどくなると家の中の移動さえ困難になります。
男性では、小便が済むまでの間立っていることさえ困難になることがあります。
しかし、一般に自転車で遠出することは差し支えありません。
中心管狭窄症(内側型)ではこのような症状が両側下肢に、外側陥凹狭窄症(外側型)と椎間孔狭窄症では患側下肢のみに見られます。
その他の症状として、外側型や椎間孔狭窄症では腰椎椎間板ヘルニアで見られるような坐骨神経痛に悩まされることも少なくありません。
さらに、全ての型において下肢にしびれや冷感を自覚したり、進行すると知覚障害や運動麻痺、筋萎縮が見られるようになります。
内側型に特異的な症状は、馬尾の慢性的圧迫による膀胱機能障害や排便機能障害です。
以上のように、一口に腰部脊柱管狭窄症と云っても、その病態と症状は多彩です。
診断において重要なことは、先に述べた下肢の症状が姿勢や歩行によって悪化することや改善することを慎重に確認することです。
腰部脊柱管狭窄症と鑑別を要する代表的疾患に、下肢の末梢動脈閉塞症があります。
後者では筋肉に血液を送る動脈が閉塞するため、歩行時に筋肉に虚血(血流不足状態)が起こり、筋肉痛のために歩けなくなります。
本疾患も休むことによって痛みは解消し、再び歩くことが出来ますが、腰部脊柱管狭窄症に特徴的な腰の姿勢と症状との関連性は認められません。
末梢動脈閉塞症では、足背動脈の触知が不良であることや、足趾の色調が悪い(チアノーゼ)などが診断のポイントです。
2007年09月08日
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